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  • 秋山教授が日本化学会学術賞を受賞しました。


    化学科・秋山隆彦教授:平成21年度「日本化学会学術賞」を受賞

    化学科の秋山隆彦教授は,「キラルブレンステッド酸触媒を用いた不斉合成反応」に関する研究で平成21年度(第27回)日本化学会学術賞を受賞しました。3月26日,日本化学会第90春季年会で受賞講演が行われました。

    優れた合成反応および効率的な触媒の開発は,医薬品、農薬からファインケミカル,さらに機能性材料等の合成法を提供する高度な「ものづくり」の原点を支える,基礎的かつ重要な研究分野の一つとなっています。なかでも,光学活性化合物を簡便な操作で光学純度良く与える優れた不斉触媒の分子設計は,医薬品等の開発にも必要不可欠な研究分野です。

    秋山教授は,こうした不斉触媒の中でもカルボニル化合物の活性化剤としてのプロトンに着目し,これまでに例の無い,金属を含まない強ブレンステッド酸であるキラルブレンステッド酸触媒の開発に成功した。そして,この触媒が,様々な有機化合物の触媒的不斉合成に極めて有効であることを明らかにした。ただ一つのプロトンによる活性化だけで高い選択性を達成できるという知見は,世界的に大きなインパクトを与え,この研究を端緒として,現在隆盛を極めている「キラルブレンステッド酸触媒」という新しい研究分野が立ち上がりました。

    これらの成果に対し,日本化学会より日本化学会学術賞が授与されました。

    (なお,日本化学会学術賞は,化学の基礎または応用分野において,先導的・開拓的な研究業績を挙げた者が授賞対象です。)