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  • 学生のみなさんへ

    有機合成化学の世界へようこそ。
    我々の研究室では、有機化学的手法により有機化合物を効率よく合成する反応の開発を目指しています。欲しいものだけを選択的に合成する有機合成反応の開発が大きな課題です。

    有機反応は、うまく制御しないと多くの副生成物が生成してきます。欲しいものだけを作るということができれば、不要な廃棄物の生成も抑えられるとともに、石油資源の無駄な消費を抑えることができます。我々もそのような立場に立ち、環境にやさしい合成反応の開発およびそのための基礎的研究に取り組んでいます。

    化学科の学生は、4年生になると卒業研究に入り、いままで習得した知識を元に毎日実験を行いながら新しい反応の開発に取り組みます。実験三昧の日々であり、実験の好きな人であればまさに天国でしょう。しかし、その前の3年間は、基礎を身につけるための重要な期間です。有機化学は決して暗記科目ではありません。理論をしっかり学べば、多くの有機反応を系統立てて理解することができるようになります。さらに、3年次の有機化学実験において実験技術をしっかりと身につけ、卒業研究に入ります。

    卒業研究では、3年生までと異なり、各々新しいテーマに取り組むことになります。新規な合成反応の開発も夢ではありません。さらに専門的なことを研究するためには、引き続き大学院に進学し、研究を続けることが必要でしょう。皆さんの開発した新規合成反応が、実際に会社の工場で企業化されることだって、夢ではありませんよ。

     

    2005年 12月 ハワイ学会にて学生たちとともに
    秋山隆彦