理学部には工場があります。写真の様にいろいろな工作機械(こうさくきかい)がきちんとならび,小さな町工場顔負けの設備が整っています。「なぜ,大学の理学部に工場があるの?」と疑問に思うでしょう。

この工作工場の目的は二つあります。一つは,大学の研究で使ういろいろな実験装置を自分たちで作ること。そうすれば,他にはない自分たちだけの装置で新しい研究を進めることができます。もう一つは学生に,「ものつくり」を体験してもらうことです。人類の文明の発展は「ものつくり」の歴史そのものです。他の動物がつくれるのは「巣」くらいですね。理学部の卒業生の多くは,理科の知識を使って「ものをつくる」仕事につきます。将来,自分で工作機械を動かす人はほとんどいませんが,ものがどの様につくられるかを知っておくことは,新しいアイデアを形にして,製品にする(一言で言えば「発明」ですね)のに大変役に立ちます。

堅い金属もほとんど自由自在に削れること,それらを溶かしてくっつけられることに初めは驚きます。そしてその堅(かた)さも,溶け方も金属によって様々に違うことに気がつきます。物質による性質の違いを指先で実感してもらえます。工作をしながら科学者にとっては大変大事な体験ができます。

こんな体験をしてみたかったら,中学生の夏休みに工作工場体験に来て下さい。もちろん将来理学部に入れば,好きなだけ工作ができますよ。

図11.工作工場の実験風景